宮島は昔から、「神の島」として崇められてきました。
瀬戸内海に浮かぶ歴史と浪漫の島には、嚴島神社の雅やかな社殿や朱塗りの大鳥居が紺青の海と島の自然に見事に調和し平安朝の優雅さを醸し出しています。
宮島が「神の島」として崇められるようになってからの歴史も古く、史実に残る多くの人が崇敬してきました。
特に、平家清盛・平家一門の宮島崇拝は有名で、清盛の保元の乱、平治の乱の勝利や官位昇進につれその信仰は年ごとに厚くなる一方で仁安3年(1168)には、神社の造営まで行っています。
のちに、後白河法皇や高倉上皇などの参詣もあり、大いに隆盛をきわめました。現在でも多くの参拝者が訪れています。
隆盛をきわめた平安朝の造形美が、当時の姿を浮かびあがらせ、時代は変われど人の心の不変さを黙って語っているようです。
江戸時代の風情が残る町家通り、四季の移ろいが美しい紅葉谷公園、弥山の登山道・・・宮島観光の本当の醍醐味は散策です。
店頭には、名物のもみじ饅頭や瀬戸内海の海の幸が並び、手軽にたくさん堪能できるのが魅力です。
滋味あふれた大野瀬戸で育ったあなごはやわらかく、ふっくらした身が特徴。
このあなごを蒲焼きにしてご飯に載せたあなごめしは、宮島を代表する名物料理です。
宮島でのかき養殖は約330年前に始まったといわれています。
特に宮島の原始林から豊富な栄養を取りこんで育つ大野瀬戸のかきは、香り、味、歯ごたえともに極上です。
高級イメージの強いかきですが、シーズン中の宮島の店頭では焼きかきなどのテイクアウトが用意され、手軽に楽しめます。
シーズン10月~3月
宮島は紅葉が美しいことでも有名です。
そのモミジにちなみ作られたのが、このもみじ饅頭です。
丹念に練りあげた「あん」を「カステラ」にくるんで焼きあげたこの菓子は、さっぱりとした中に上品な甘さを含んだ味と、多くの人々に愛されています。
日常で使用するからこそ手になじむ品を。宮島杓子はその美しさもさることながら、「敵を召し取る」縁起物。ここぞという時に勇気を与えてくれるかも。
宮大工や指物師の技術が生きる宮島彫りは、「茶碗を乗せても傾かない」「お茶をこぼしてもシミになりにくい」など、日常で使ってこその技が集約されています。
林業が盛んな中国山地の木材を使用した日用使いの工芸品、参拝客のお土産に喜ばれた縁起物の置物など、無駄を取り除いた素朴なデザインは何気ない暮らしのアクセントになる粒ぞろいです。
盆、菓子器、なつめなど、自然の木目が生きるシンプルなフォルムにこそ、職人の技が光ります。
石膏型の内側に和紙などを張り付けるため、一般的な張り子よりシルエットがはっきりしているのが特徴です。愛らしい形と鮮やかな色彩の張り子の種類は100種類以上に及びます。
宮島焼きに端を発する土鈴は、宮島や縁起をモチーフに愛らしい音を響かせます。
神職様に祈祷して頂いた嚴島神社本殿下の御砂を練りこんで焼き上げています。
平清盛ゆかりの神事。闇に浮かび上がる五彩の幔幕や提灯で飾られた御座船の上では雅楽が奉奏され、その様子はまるで平安絵巻のようです。
3月下旬
宮島の繁栄の礎を築いた平清盛公を偲び、平家一門の嚴島神社参詣の様子を再現します。
場 所宮島桟橋~嚴島神社~清盛神社
4月15日・11月15日
ひのきの葉や護摩木を積み上げて火をつけ、残り火の上を願いがかなうように素足で渡る火渡りの儀式です。
かつては弥山本堂で行われていましたが、平成3年(1991年)の台風19号で本堂が倒壊したために大聖院で催されるようになりました。
場 所大聖院
4月15日・10月15日
「舞人」と「楽人」の神職たちによって「振鉾」「萬歳楽」「延喜楽」「陵王」「納曽利」など11の舞楽が嚴島神社の高舞台で奉奏されます。
場 所嚴島神社
4月16~18日
広島県内や東京、京都などから延べ400人もの能楽師が集まり、嚴島神社能舞台で能・狂言が奉納されます。神能に使われる衣装や調度の多さも全国屈指の規模です。
場 所嚴島神社
6月17日
場 所大願寺
旧暦6月17日
旧暦の6月17日に行われる管絃祭は、平清盛が朝廷や京の社寺で行われていた管絃を移したものと伝えられています。
場 所嚴島神社及び周辺
旧暦7月14日
8月、満潮時嚴島神社前の海で繰り広げられる玉取祭は、ひとつの宝殊を奪いあう男たちの雄壮な祭です。
場 所嚴島神社
旧暦8月1日
農作物への感謝をこめて、「たのも船」を、嚴島神社周辺から海に流す伝統行事です。
場 所四宮神社
12月31日
燃えさかる大松明を法被姿の若者たちがかついで、ヨイヨイ、ワッショイのかけ声とともに御笠浜を練り歩く、江戸時代から続く大晦日の神事です。
場 所御笠浜